教会新聞

本当の幸せとは(2016年秋号)

恵みによって −本当の幸せとは−

現世利益or永遠のいのち

「キリストを信じたらどんなご利益があるのですか。」これは、しばしば尋ねられる質問です。それに対して私たちは、次のようにお答えします。「キリストを信じるなら永遠のいのちを受けることができます。永遠のいのちを持った人は、死後、地獄ではなく、天国で永遠に生きることができます。」すると大抵の方は、「なんだ、金銭や健康を与えてくれないのか・・・。」と言ってがっかりされます。私たちが続けて、「人生は80年程ですが、死後は永遠です。永遠に比べれば一瞬の人生をどう生きるかよりも、死後の永遠をどこで過ごされるかの方がはるかに大切です。」と申し上げても、多くの方は「死後のことなど考えている暇はない。」「とにかく今この世で幸せになることが大事だ。」と言われます。このように、今日、多くの方が死後の永遠についてよりも現世利益を求めておられるように思います。しかし、果たして、現世利益を得ることが人間にとって本当に幸せなのでしょうか。

空っぽの手

古代マケドニア王国のアレキサンダー大王は、わずか12年の治世の間にペルシャ帝国を滅ぼし、ギリシャ帝国を創建した英雄でした。西はギリシャ・マケドニアから東はインド西方までの東西4,500キロメートルの領土を制覇し、ギリシャ語を世界の共通語にまでしました。しかし、一大帝国を築き、絶大な権力と名声を手にした大王も、32歳の若さで熱病により急死しました。大王は、死ぬ前に次のように語りました。「私が死んだら、両手は布で覆わないまま、私を棺台の上に運ぶように。私の手が空っぽであることを、だれもが知るために。」彼は、この世でどれほど権力や勝利や富を手にしても、死ぬ時にはすべてを手放さなければならないということを民衆に伝えたかったのです。

神のことばである聖書には、このように書かれてあります。「私たちは何一つこの世に持って来なかったし、また何一つ持って出ることもできません。」(第一テモテ6:7)人間には必ず死が訪れます。その時、人は長年かけて手に入れたこの世のものをすべて手放さなければならないのです。それに、死は突然訪れます。それは、今日かもしれないのです。やがて間もなく手放すことになるものを一生懸命追求することに、一体どれ程の価値があるというのでしょう。

死後のさばき

もし死後の世界などなく、人の存在がこの世限りであるなら、死後のことなど考えず、この世のものを追求するのも良いでしょう。しかし、聖書には次のように書かれてあります。「人間には、一度死ぬことと死後にさばきを受けることが定まっている」(ヘブル9:27)多くの人は、死後は無になると考えています。しかし、それはあくまで憶測に過ぎず、何の根拠もありません。むしろ、人が、遺影に向かって話しかけたり、死を恐れたりするのは、無意識の内に死後の世界があると考えているからではないでしょうか。

神は、死後に永遠の世界が存在すると語っておられます。ですから、死んだ人間は消えて無くなったりはしません。肉体はちりに帰りますが、たましいは永遠に存在し続けるのです。そして、神の御前においては「義人はいない。ひとりもいない。」(ローマ3:10)のであって、すべての人が罪人であり、死後にさばきを受けなければならないのです。神は人間について「彼らは、あらゆる不義と悪とむさぼりと悪意とに満ちた者、ねたみと殺意と争いと欺きと悪だくみとでいっぱいになった者、陰口を言う者、そしる者、神を憎む者、人を人と思わぬ者、高ぶる者、大言壮語する者、悪事をたくらむ者、親に逆らう者、わきまえのない者、約束を破る者、情け知らずの者、慈愛のない者です。」(ローマ1:29~31)と語っておられます。あなたもここに書かれてあるような罪を犯したことがあるのなら、神のさばきを受けなければならないのです。そのさばきの場は、「火と硫黄との燃える池」(黙示録21:8)です。罪人はそこに投げ込まれ、永遠に昼も夜も苦しみを受けるのです。そのさばきには何の差別もありません。たとえあなたがこの世の権力者であっても、金持ちであっても、死を迎えればすべてを失い、永遠の火の池に投げ込まれるのです。

永遠のいのち

ですから、あなたにとって、死後のさばきから救われることが何よりも大事なことなのです。そこで、ぜひ地獄からの救いについて、永遠のいのちについて知ってください。

「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」(ヨハネ3:16)

神は、あなたを地獄から救うために、愛するひとり子イエス・キリストを人としてこの世にお遣わしになりました。そして、あなたのすべての罪をキリストに負わせ、十字架に架け、あなたの身代わりとしてさばいてくださいました。言い換えれば、あなたの罪はキリストの十字架上で完全に処罰されたのです。ですから、あなたがご自分の罪を認め、罪の赦しを求めてキリストを救い主として信じるなら、神はあなたを赦し、永遠のいのちを与えてくださるのです。この救いの確証として、神はキリストを死後3日目によみがえらせてくださいました。復活されたキリストは、40日に渡って大勢の弟子たちに現れ、皆が見ている前で天に昇って行かれました。復活されたキリストこそ、唯一の神であり救い主です。ですから、キリストを信じるなら誰でも永遠のいのちを受けて、天国に入ることができるのです。

正しい価値判断

「人は、たとい全世界を手に入れても、まことのいのちを損じたら、何の得がありましょう。そのいのちを買い戻すのには、人はいったい何を差し出せばよいでしょう。」(マタイ16:26)

全世界を手に入れるとは、現世利益の究極の形です。しかし、永遠のいのちを損じたならば、何の利益もありません。あなたにとって本当に価値あるものとは何でしょうか。どうか、正しい価値判断をしてください。イエス・キリストを信じて、永遠のいのちを得てください。

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