教会新聞

なぜキリストは十字架に?(2017年冬号)

恵みによって なぜキリストは十字架に?

「どくろ」と呼ばれている所に来ると、そこで彼らは、イエスと犯罪人とを十字架につけた。 —ルカ23:33—

処刑された人を祝うクリスマス

12月になると街はクリスマスムードに包まれます。世界中の子どもから大人まで、多くの人がクリスマスを楽しみ祝っています。しかし、その意味を正しく知って祝っている人は数少ないのではないでしょうか。

クリスマスは、イエス・キリストの誕生を祝う祭りです。イエス・キリストについては、「愛の人」「世界三大聖人の一人」「キリスト教の教祖」などと理解されている方もありますが、キリストは十字架につけられて処刑された方でもあるのです。なぜキリストは十字架につけられたのでしょうか。キリストは極悪人であったのでしょうか。それならなぜ、世界中でキリストの誕生が祝われているのでしょうか。あなたもクリスマスを祝っておられるのでしたら、ぜひともこの答えを知ってください。

十字架刑

十字架刑は、国家に対する反逆罪への刑罰として、ローマ人が採用した死刑の方法です。しかし、あまりにも残忍で非常な苦痛を伴う極刑であることから、十字架につけられる者は限られていました。

十字架に架けられる犯罪人は、裸にされ、両手両足首に約15センチの長さの大釘を打ち込まれ、十字架に固定されます。この時、手足首の神経は切断され、言葉では表現できない激痛が襲います。さらに十字架に吊り上げられると、両肩は脱臼し、釘を打ち込まれた傷口に全体重がかかり、さらなる激痛が襲います。そして、犯罪人は、呼吸を保つために、死を迎えるまで何度も足を突っ張って体を持ち上げなければなりません。このような苦しみが何時間と(場合によっては何日も)続き、そして最終的に、激しい痛みと疲労のために呼吸が難しくなり、心拍異常を起こして心停止するのです。キリストは、このような苦しみを受けて死なれました。

処刑された理由

なぜ、キリストは十字架刑にされたのでしょうか。決して、キリストご自身に罪があったからではありません。当時、裁判を担当したピラトという地方総督は、「この人には何の罪も見つからない」と言って、三度もユダヤ人を説得し、キリストを釈放しようとしたほどです(ルカ23:4、14、22)。それでもキリストが処刑されたのは、キリストを憎むユダヤ教の指導者たちの陰謀があったからです。彼らは群衆を抱き込み、キリストを十字架につけるよう叫ばせました。「ところが、彼らはあくまで主張し続け、十字架につけるよう大声で要求した。そしてついにその声が勝った。」(ルカ23:23)このように、人々のキリストに対する敵意と憎悪が罪のない方を十字架につけたのです。

しかし、もう一つの理由があります。キリスト自らが十字架刑を選ばれたということです。キリストは、裁判の場で人々が不当な訴えをしても弁解せずにじっと黙っておられました。「そのとき、ピラトはイエスに言った。『あんなにいろいろとあなたに不利な証言をしているのに、聞こえないのですか。』それでも、イエスは、どんな訴えに対しても一言もお答えにならなかった。それには総督も非常に驚いた。」(マタイ27:13、14)無実なのですから、少しでも自己弁護されたなら、誰もキリストを罪に定めることはできなかったはずです。それでも黙っておられたのは、十字架につけられるためであったのです。「だれも、わたしからいのちを取った者はいません。わたしが自分からいのちを捨てるのです。」(ヨハネ10:18)

十字架の死の意味

なぜキリストは自ら十字架刑を選ばれたのでしょうか。それは、実にあなたの罪を赦すためであったのです。キリストは、十字架の激しい苦しみの中でこのように言われました。「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです。」(ルカ23:34)

神のことばである聖書は、「義人はいない。ひとりもいない。」(ローマ3:10)と語っており、すべての人が罪人であると教えています。あなたも、神の目には罪人であるのです。あなたを造られた神を無視して生きること、偽の神々を拝むことは、神に対する大きな罪です。そして神はその罪に対して激しく怒っておられます。もし、あなたが、真の神を拒んだまま死を迎えてしまうならば、死後に罪の刑罰を受けて、火の燃える池に投げ込まれ、永遠に苦しまなければならないのです。「人間には、一度死ぬことと死後にさばきを受けることが定まっている」(ヘブル9:27)

しかし、あなたを罪の刑罰から救うために、罪のないキリストが十字架に架かってくださいました。キリストは、あなたのすべての罪を背負い、十字架の上であなたに代わって罪の刑罰を受けてくださったのです。「キリストも一度罪のために死なれました。正しい方が悪い人々の身代わりとなったのです。」(第一ペテロ3:18)そして、キリストは、死後3日目によみがえり、ご自身こそ唯一の救い主であることを示されました。復活されたキリストを、あなたの神・救い主として信じるならば、すべての罪が赦されて、あなたは永遠の天国に入ることができるのです。「もしあなたの口でイエスを主と告白し、あなたの心で神はイエスを死者の中からよみがえらせてくださったと信じるなら、あなたは救われるからです。」(ローマ10:9)

愛のあかし

キリストの十字架は、全人類への、そしてあなたへの愛のあかしです。世界中でキリストの誕生が祝われるのもそのためです。あなたの罪を赦すために十字架の上で苦しまれたキリストの愛を無駄にしないでください。どうかキリストを信じて、罪の赦しを得てください。

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