教会新聞

預言されていた救い主(2021年春号)

恵みによって 預言されていた救い主 

「まことに、彼は私たちの病を負い、 私たちの痛みを担った。
それなのに、私たちは思った。
神に罰せられ、打たれ、苦しめられたのだと。
しかし、彼は私たちの背きのために刺され、
私たちの咎のために砕かれたのだ。
彼への懲らしめが私たちに平安をもたらし、
その打ち傷のゆえに、私たちは癒された。
私たちはみな、羊のようにさまよい、
それぞれ自分勝手な道に向かって行った。
しかし、主は私たちすべての者の咎を
彼に負わせた。
彼は痛めつけられ、苦しんだ。
だが、口を開かない。
屠り場に引かれて行く羊のように、
毛を刈る者の前で黙っている雌羊のように、
彼は口を開かない。
虐げとさばきによって、彼は取り去られた。
彼の時代の者で、だれが思ったことか。
彼が私の民の背きのゆえに打たれ、
生ける者の地から絶たれたのだと。
彼の墓は、悪者どもとともに、
富む者とともに、その死の時に設けられた。
彼は不法を働かず、その口に欺きはなかったが。」
イザヤ書53章4~9節

だれについての描写か

質問させてください。この旧約聖書のことばの中に出て来る「彼」とは、いったいだれのことだと思われますか。以前、教会に来て間もないある青年に同じ質問をしたところ、「イエス・キリストのことだと思います。」という答えが返ってきました。聖書をほとんど読んだことのないその青年にも、この聖書箇所がイエス・キリストについて書かれてあることがはっきりと分かったのです。

「彼は痛めつけられ、苦しんだ。だが、口を開かない。」———キリストは、処刑される直前の裁判において多くの偽証で訴えられましたが、一言も自己弁護されませんでした。また、むちで打たれ、唾をかけられ、棒でたたかれても、じっと黙って耐えておられました。

「しかし、彼は私たちの背きのために刺され」———キリストは、両手両足を釘で刺し通され、十字架につけられました。

「彼の墓は、悪者どもとともに、富む者とともに、その死の時に設けられた。」———キリストは2人の犯罪人とともに十字架につけられ、アリマタヤのヨセフという金持ちの墓に葬られました。

このように、イエス・キリストの死の場面を描写していることは明らかです。しかし驚くべきことに、このイザヤ書はイエス・キリストが誕生する約700年前に書かれていたのです。

キリストを預言している旧約聖書

聖書は、旧約聖書(39巻)と新約聖書(27巻)の2つから成っている書物です。新約聖書はキリスト誕生の後に書かれたものですが、旧約聖書はキリスト誕生の約400年前に完成していました。イザヤ書を含む旧約聖書が、キリスト誕生以前にすでに完成していたことは、「死海写本」の発見によって考古学的に明らかになっています。死海写本とは、1947年に死海のほとりにあるクムラン洞窟から発見された972の写本群のことで、主に旧約聖書の写本とその注解書からなっています。放射性炭素年代測定、質量分析法などから、それらの文書は紀元前250年頃のものであると考えられています(1985年版ギネスブック「最古の聖書」)。ですから、旧約聖書原本はそれ以前のもっと昔に書かれていたということです。

その旧約聖書の中に、キリストについての預言が300以上もあります。誕生する町の名前や家系、処女降誕、弟子の裏切り、死や埋葬の様子など、事細かな預言がすべてイエス・キリストの生涯で成就しているのです。聖書が多くの預言を記し、成就させている理由は2つあります。1つは、聖書が神のことばであることを確証させるためです。そしてもう1つは、イエス・キリストこそ神がお遣わしになった救い主であることを示すためです。初対面の人と待ち合わせる場合、2、3の特徴を事前に聞いておけば相手を特定できます。しかし神は、300以上もの預言を与えてくださり、だれが救い主であるかを私たちが間違えないようにしてくださったのです。

救い主の預言が書かれた理由

私たちには救い主が必要です。なぜなら人間は死後、罪の刑罰を受けて、火の池で永遠に苦しまなければならないからです。「私たちはみな、羊のようにさまよい、それぞれ自分勝手な道に向かって行った。」と書かれている通りに、人間は造り主である神を無視し、自分勝手に人生を歩んでいます。その生き方こそ「背きの罪」なのです。神は、罪を憎まれるお方ですので、罪に対して必ずさばきをお下しになるのです。そのさばきこそ、火の池である地獄での刑罰なのです。

しかし、神は、私たちを地獄から救うために救い主を与えてくださいました。その方こそ、旧約聖書の中に預言されていたイエス・キリストなのです。イエス・キリストは、あなたの背きの罪のために十字架の上で両手両足を釘で刺し通されました。本来、あなたが受けるべきであった刑罰を、罪のないイエス・キリストが代わりにお受けになってくださったのです。そしてキリストは、死後3日目によみがえられ、ご自分が真の神であり救い主であることを証明されました。この事実に基づいて、あなたが自分の罪を悔い改めてイエス・キリストをご自分の救い主として信じるなら、全ての罪は赦され、あなたは天国に入れていただけるのです。

イエス・キリストこそが神の遣わされた救い主であることは、旧約聖書の預言によって迷う必要のないほど明らかです。どうか、あなたもイエス・キリストを救い主として信じて救いを得てください。

伝道集会では、この救いについて、より分かりやすくお伝えいたします。ぜひ一度教会にお越しくださいますように、心からお願いいたします。

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