教会新聞

歴史は神の物語(2021年冬号)

恵みによって 「歴史は神の物語」

歴史は神の物語 -History is His story-

「見よ、わたし(神)は彼ら(バビロン)に対してメディア人を奮い立たせる。……こうして、諸王国の誉れ、カルデア人の輝かしい誇りであるバビロンは、神がソドム、ゴモラを滅ぼしたときのようになる。」(イザヤ13:17-20)

「七十年の終わりに、わたしはバビロンの王とその民を—主のことば—またカルデア人の地を、彼らの咎のゆえに罰し、これを永遠に荒れ果てた地とする。」(エレミヤ25:12)

新バビロニア帝国の滅亡

紀元前6世紀頃、中東全域を支配していたのは新バビロニア帝国でした。ネブカドネツァル王が治めた最盛期には、バビロンは富と権力において空前の繫栄を遂げ、他の国々の追随を許さぬほどでした。彼が造ったバビロンの空中庭園は、その美しさと荘厳さから、古代世界の七不思議にも数えられています。

栄華を極めたバビロニア帝国でしたが、紀元前539年に、ペルシアの王キュロス二世の率いるメディア・ペルシア軍に侵入され、あっけなく没落してしまいました。バビロンの町は二重の城壁で囲まれ、難攻不落と言われていましたが、キュロスは町の中央を流れるユーフラテス川の水路を変えて、干上がった川床を歩き、戦わずしてバビロンに入城し、たやすく征服したのです。

バビロニア帝国の滅亡は、権力闘争の結果や単なる事の成り行きではありません。冒頭の聖書箇所は、バビロン滅亡に関する聖書の預言です。イザヤ書の預言はバビロン滅亡の150年以上も前に、エレミヤ書の預言は70年前に語られたものです。つまり、バビロンの滅亡は、あらかじめ神によって計画されていたことであり、そのとおりに神がなさったことなのです。他にも聖書は、メディアとペルシアの王(キュロス)による世界支配と、その帝国を打つギリシアの王(アレキサンダー大王)の台頭も預言しています(ダニエル書8章)。「歴史は神の物語」と言われるように、歴史を動かしておられる神が存在されます。この世界を創造された神は、創造した世界をご自分の計画に基づいて支配しておられるのです。

メネ、メネ、テケル、ウ・パルシン

ダニエル書五章には、バビロンが征服されたその日の宮殿の様子が記されています。宮殿の中では、父ナボニドス王からバビロン州の統治を任されていたベルシャツァル王が千人の貴族たちのために大宴会を催していました。彼らが酒に酔い、金、銀、青銅、鉄、木、石の神々を賛美していたとき、人間の手の指が現れ、壁に文字を書いたのでした。その文字は「メネ、メネ、テケル、ウ・パルシン」でした。

メネとは、「神があなたの治世を数えて終わらせた」という意味です。
テケルとは、「あなたが秤で量られて、目方の足りないことが分かった」という意味です。
パルシンとは、「あなたの国が分割され、メディアとペルシアに与えられる」という意味です。

要約すれば、「あなたは神の基準に達しなかったので、神があなたの人生を終わらせ、あなたから王国を取り上げる」という厳しいさばきの宣告です。預言者ダニエルは、さばきの理由を次のように説明しました。

「その子であるベルシャツァル王よ、あなたはこれらのことをすべて知っていながら、心を低くしませんでした。それどころか、天の主に向かって高ぶり、その宮の器を自分の前に持って来させ、あなたと貴族たちとあなたの側室や侍女たちは、それを使ってぶどう酒を飲みました。あなたは、見ることも、聞くことも、知ることできない銀、金、青銅、鉄、木、石の神々を賛美しました。しかしあなたの息をその手に握り、あなたのすべての道をご自分のものとされる神を、あなたはほめたたえませんでした。そのため、神の前から手の先が送られて、この文字が書かれたのです。」(ダニエル5:22〜24)

バビロンが神によって滅ぼされたのは、彼らが真の神を侮り、偽の神々を拝んでいたからでした。神は、どんなに繫栄している王国であったとしても、ご自分に逆らう者たちをさばき、その繁栄を取り上げてしまわれるのです。

そして、これはあなたにも同様に当てはまることです。あなたを造られた神は、あなたのいのちをその手に握り、支配しておられます。もし、あなたがこれまで、あなたの造り主なる神をあがめず、木や石でできた偽の神々を拝み、欲望を満たす人生を送ってきたのであるなら、あなたにも「メネ、メネ、テケル、ウ・パルシン」の宣告が下ることになります。

「人間には、一度死ぬことと死後にさばきを受けることが定まっている」(ヘブル9:27)

神があなたの人生を終わらせる日がいつか必ずやってきます。そして、あなたから財産や地位や名誉が取り上げられることになります。さらに、死後に罪の刑罰を火の池である地獄で永遠に受けることになるのです。

人類救済のために歴史を動かしておられる神

神が歴史を動かしておられるのは、人類を滅ぼすためではありません。むしろ、罪を犯したために地獄での刑罰を受けるべき人間を救うために、神は働き続けておられるのです。神は、旧約聖書の中で救い主に関する預言を300以上も語り、救い主の到来を準備して来られました。そして、預言通りに現れたイエス・キリストは、預言通りに十字架に架かって死なれ、3日目によみがえってくださいました。キリストが十字架上で死なれたのは、あなたの身代わりとなってさばきを受けるためであったのです。

「キリストも一度、罪のために苦しみを受けられました。正しい方が正しくない者たちの身代わりとなられたのです。」(第一ペテロ3:18)

キリストが全人類の身代わりにさばかれたことにより、だれでもキリストを自分の神として信じ受け入れる者は、すべての罪を赦されて、死後には天に入れていただけるのです。

この文章があなたの目に留まったということは、あなたに救いを届けるために、神があなたの人生に今まさに介入しておられるということです。どうか、イエス・キリストをお信じになってください。また、ぜひ当教会にお越しになってください。

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