教会新聞

それは本当に神ですか?(2017年春号)

恵みによって −それは本当に神ですか?−

宗教心

「アテネの人たち。あらゆる点から見て、私はあなたがたを宗教心にあつい方々だとみております。」(使徒17:22)

紀元50年頃、キリストの使徒パウロがギリシャのアテネを訪れたとき、パウロがアテネ人たちに持った印象は、「宗教心にあつい」というものでした。なぜなら、アテネの町の至る所にありとあらゆる神々が祭られ、人々はそれらを拝んでいたからです。その上彼らは、自分たちが知らないだけで、まだ他にも神々が存在するのではないかという恐れから「知られない神に」と刻まれた祭壇まで作り、未だ知らない神々をも拝んでいたほどです。

しかし、宗教心にあついのはアテネ人に限ったことではなく、日本人も同じではないでしょうか。「八百万の神」と言われるように、昔から日本人も無数の神々を祭りあげていますし、「無宗教です」という人たちでさえ、正月になれば神社で手を合わせます。また、「イワシの頭も信心から」ということわざがあるように、どんなつまらないものでも信仰の対象にするほどです。そして、多くの人は「とにかく信心することが大切だ」と言います。しかし、果たしてこのような宗教心は正しいのでしょうか。

真の神

迷子になった子どもがいたとします。帰り道も分からなくなり、途方にくれて泣きじゃくっています。誰かがその子に「ひとりでは心細いでしょう。とにかく誰でもいいから大人を見つけて今日からその人を親だと思ってついて行きなさい。」と言ったらどうでしょうか。誰もが、とんでもない事だと思われるに違いありません。その子の両親は唯一なのですから、その両親のもとに導いてあげるべきです。

それと同じように、何でもかんでも信仰の対象にするのは誤りです。人間は、本当の神のもとに導かれ、その方を拝まなければなりません。では、神々と呼ばれるものが無数にある中で、本当の神を見出すにはどうすれば良いのでしょうか。聖書は次のように語っています。

「この世界とその中にあるすべてのものをお造りになった神は、天地の主ですから、手でこしらえた宮などにはお住みになりません。また、何かに不自由なことでもあるかのように、人の手によって仕えられる必要はありません。神は、すべての人に、いのちと息と万物とをお与えになった方だからです。」(使徒17:24、25)

「神を、人間の技術や工夫で造った金や銀や石などの像と同じものと考えてはいけません。」(使徒17:29)

真の神は、天地万物の創造者であり、すべてのものを支配しておられる絶対主権者です。ですから、人間が造り出したものはすべて、どんなに芸術的で厳かな形をとっていたとしても神ではありません。それらは、「口があっても語れず、目があっても見えない。耳があっても聞こえず、鼻があってもかげない、手があってもさわれず、足があっても歩けない。のどがあっても声をたてることもできない。」(詩篇115:5~7)偽の神々です。

偶像礼拝の罪

偽の神々を拝む行為を、偶像礼拝と言います。そして、聖書は偶像礼拝を罪であると語っています。なぜなら、偶像礼拝は、真の神に対する反逆行為であるからです。そして、真の神は、偶像を拝む者を、死後に永遠の火の池に投げ込むことによってさばこうとしておられるのです。「おくびょう者、不信仰の者、憎むべき者、人を殺す者、不品行の者、魔術を行う者、偶像を拝む者、すべて偽りを言う者どもの受ける分は、火と硫黄との燃える池の中にある。」(黙示録21:8)

あなたは、これまでに人間が手でこしらえた宮に行き、人間の技術や工夫で造った金や銀や石などの像を拝んだことはありませんか。それは罪であり、必ずさばかれます。人々は、偶像を拝むことで、平安や幸福を得ようとしていますが、実際はその行為が却って身に滅びを招くことになるのです。

ですから、あなたが永遠の火の池で苦しむことがないようにと「神は、・・・今は、どこででもすべての人に悔い改め(真の神に対する誤った態度を変えること)を命じておられます。」(使徒17:30)

真の神による救い

真の神は、罪を憎んでおられますが、罪人を愛しておられます。ですから、神はあなたを永遠の火の池から救い出し、天国へ入れてくださるための救いを用意されました。それが、キリストの十字架の死と復活です。約2,000年前に、神は、愛するひとり子イエス・キリストをこの世にお遣わしくださり、全人類の身代わりとして十字架に架けてくださいました。それは、本来、私たちが受けるべきであった罪の刑罰をキリストに受けさせるためであったのです。「キリストも一度罪のために死なれました。正しい方が悪い人々の身代わりとなったのです。」(第一 ペテロ3:18)そして、神は、十字架上で死なれ、葬られたキリストを三日目によみがえらせ、この方こそ唯一の救い主であることをはっきりとあかしされました。

全人類の罪に対するさばきは、十字架上のキリストに下されました。ですから、罪を悔い改め、キリストをあなたの神であり救い主であると信じ受け入れるならば、神はあなたの罪を赦し、永遠のいのちを与えて、天国へ入れてくださるのです。「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」(ヨハネ3:16)

天地万物を造られ、今も生きておられる唯一の神こそ、あなたに真の平安と幸福を与えてくださる神です。どうか、真の神がお遣わしになったイエス・キリストをあなたの救い主として信じ受け入れ、救いを受け取ってくださいますように、心からお勧め致します。

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