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ルツの求婚

「私はあなたのはしためルツです。あなたのおおいを広げて、このはしためをおおってください。あなたは買い戻しの権利のある親類ですから。」 ルツ記 3:9

ルツ記3章には、ボアズに対するルツの求婚が記されています。ルツの姑ナオミは、ルツとボアズの出会いに主の導きを認めました。なぜなら、ボアズは「買い戻しの権利」のある親類であったからです。

買い戻しの権利とは、貧しくなって所有地を売った人のために、親類がその土地を買い戻すことのできる権利のことです(レビ記25:23-28)。さらにこの場合、すでに土地の元の所有者であったエリメレクも彼の2人の息子たちも死んでしまっていたので、エリメレクの土地を買い戻した人には、「兄弟の義務」が発生しました。兄弟の義務とは、世継ぎをもうけることなく死んだ人のために、兄弟(親類)が死んだ者の妻をめとって子をもうけ、死んだ者の名を残して土地を継がせなければならない義務のことです(申命記25:5-6)。つまり、エリメレクの土地を買い戻した人には、ルツをめとる義務があったということです。

主の導きを認めたナオミは、ボアズに求婚するようルツに提案しました。しかし、人間的に考えるならば、ルツにとってこの縁談には抵抗を感じるものがあったはずです。ボアズとは親子ほどの年齢差がある上、ナオミに指示された求婚の方法には若い女性にとって恥ずかしいものがあったはずです(3:3,4)。けれどもルツは、それらすべてがしあわせに至る神のご計画と導きであると信じ、この縁談を受け入れ、大胆にボアズに求婚しました。その結果、ボアズから「さあ、娘さん。恐れてはいけません。あなたの望むことはみな、してあげましょう。」(3:11)という返事をもらうことができました。そしてボアズは、大麦6杯をルツに持たせてナオミのところに返しました。

主がルツのためにボアズを備えておられ、ボアズとの婚約に導かれたように、主は私たちのためにも尊い霊的祝福を備えておられます。そして、それを獲得するようにと私たちを導いておられます。そのご計画が私たちの目にどのように映っても、主のご計画こそ最善であると信じて、ルツのように大胆に進んでいくなら、私たちは必ず幸いを手にすることができるのです。ボアズがルツに大麦6杯を持たせたように、主はご自分に信頼するものを手ぶらで返すようなことは決してされません。

ただし、その祝福がすんなり手に入るとは限りません。ルツの場合、ボアズよりももっと近い買い戻しの権利のある親類がいたので、その人の出方次第でルツの結婚相手が変わる可能性がありました。私たちも、伝道の実や奉仕の場を思うようにすぐに得られないことがあるかもしれません。そのような時は、ルツが人間的に動いたりせず、事の結末を主にゆだねて「待って」(3:18)いたように、私たちも主にすべてをゆだねることです。主のみこころを確信し、信仰によって大胆に進んだのなら、結果は主にお任せしましょう。必ず、主が豊かに報いてくださいます。

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