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ルツを買い取ったボアズ

「こうしてボアズはルツをめとり、彼女は彼の妻となった。彼が彼女のところに入ったとき、主は彼女をみごもらせたので、彼女はひとりの男の子を産んだ。」 ルツ記4:13

ルツ記4章には、ボアズがエリメレクの土地とルツを買い取ったことについて記されてあります。ボアズがエリメレクの土地とルツを買い取ることができるかどうかは、ボアズよりも近い親類の人の返事次第でした。

そこでボアズは、町の門のところにその親類の人と10人の長老を集めて、事情を説明し、どちらがエリメレクの土地を買い戻すかを正式に決めようとしました。最初に買い戻す権利のあるその親類の人は、初めは「私が買い戻しましょう。」と言いましたが、兄弟の義務ゆえにモアブの女ルツをも買わなければならないということを知ったとき、この話を断り、ボアズに買い戻しを譲りました。彼は、断った理由を金銭的な事情として説明していますが、実際はモアブの女をめとりたくなかっただけです。しかしその結果、ボアズが正式にエリメレクの土地とルツを買い取ることができました。

ルツは晴れてボアズの妻とされました。そして、主は彼女とボアズとの間にひとりの男の子を授けてくださいました。その子孫としてダビデ王、さらには主イエスが誕生されました。「ボアズに、ルツによってオベデが生まれ、オベデにエッサイが生まれ、エッサイにダビデ王が生まれた。」(マタイ1:5,6)そして、この主イエスによって、地上のすべての国々が祝福を受けるようになるのです。神は、父母や生まれた国を離れ、何一つ頼れるもののない中で、ただ神の守りだけを信じてベツレヘムにやって来たルツを大いに祝福されました。神は、ご自分に純粋に信頼するものを祝福せずにはおけないお方です。たとえそれが、主の集会に加わってはならないと言われたモアブの女であってもそうです。

ルツの生涯は、神の測り知れない恵みと神に信頼することの限りない真価を教えています。この恵みはすべての信仰者に今も提供されています。そして、神を信頼するものであるならば誰でも、信仰の手によってそれを受け取ることができるのです。

さて、ルツ記4章の「ボアズの買い戻し」は、「キリストが教会を贖われたこと」の型として見ることもできます。モアブの女であるがゆえに一度買い戻しを拒否されたルツのように、アダムの子孫であった私たちも本来神に拒絶されて当然でした。しかし、ボアズが代価を払ってルツを買い取ったように、主イエスは教会を「すばらしい値うちの真珠」(マタイ13:46)と見てくださり、ご自身の無限に尊い血を代価として払ってまでも買い取ってくださいました。そして、モアブの女ルツがボアズにあって祝福されたように、教会はキリストにあって豊かに祝福されているのです。

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