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いなくなった羊

「あなたがたのうちに羊を百匹持っている人がいて、そのうちの一匹をなくしたら、その人は九十九匹を野原に残して、いなくなった一匹を見つけるまで捜し歩かないでしょうか。」 ルカの福音書15章4節

イエス・キリストは、羊飼いのもとからいなくなった一匹の羊についてのたとえを語られました。それは、私たちに、とても大切な真理を分かりやすく教えるためでした。

羊が羊飼いのもとから離れるということは、羊にとって、主人の監視から解放されて自由を手に入れるという素晴らしいことであるように思えますが、実際はとても危険なことなのです。なぜなら、羊はとても弱い動物であるからです。羊は、目が悪く、遠くのものを見ることができません。ですから、危険が迫っていてもすぐに気付く事ができないのです。また、獅子や狼に襲われた時に、戦うための爪や牙を持っていないので、なんの抵抗もできないのです。ですから、羊飼いのもとからいなくなった羊は、遅かれ早かれ死ぬ運命にあるのです。

このいなくなった一匹の羊は、何をたとえているのでしょうか。キリストは、このように説き明かされました。「あなたがたに言いますが、それと同じように、ひとりの罪人が悔い改めるなら、悔い改める必要のない九十九人の正しい人にまさる喜びが天にあるのです。」(ルカの福音書15章7節)この一匹の羊は、ひとりの罪人をたとえているのです。すなわち、造り主であられる神から離れて自分勝手に生きているひとりの罪人、神の支配を拒んで欲望のままに自由にふるまっているひとりの罪人のことです。そして、それはあなたのことです。

神から自由になろうとする罪人は、却って自分自身を危険な場に立たせているのです。なぜなら、人は死という敵に対して無力であるからです。未来が分からない人間は、自分がいつ死ぬのかも分からず、死に直面した時に何の抵抗もできません。そして、死後に神から離れたその罪のためにさばきを受けて永遠の火に投げ込まれなければならないのです。

しかし、羊飼いがいなくなった羊を見つけるまで捜し歩いたように、「私は、良い牧者です。」(ヨハネの福音書10章11節)と語られたイエス・キリストが、あなたを死後のさばきから救うためにこの世に来られ、あなたの身代わりに十字架に架かり、罪の刑罰を受けて死んでくださいました。そして、死後三日目によみがえられ、ご自身こそが唯一の救い主であることをあかしされました。復活されたキリストは、今も失われたあなたを捜し続けておられます。「主の御名を呼び求める者は、だれでも救われ」(ローマ人への手紙10章13節)ます。どうか、悔い改めて神に立ち返り、キリストを信じて救いを得てください。

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