生けるパン
2013年11月27日
「わたしは、天から下って来た生けるパンです。だれでもこのパンを食べるなら、永遠に生きます。」 ヨハネの福音書6章51節
食物は、人間の生命維持のために必要不可欠なものです。もし物を食べなければ、人間は死んでしまいます。ですから、多くの人は食物を得るために、一生懸命に金を求め、仕事を求めるのです。そして、長寿を求めて、なるべく健康に良い物を選んで食べようとするのです。しかし、どんなに気を遣って健康食品を食べていても、人間はいつか必ず死を迎えます。この世のどんな食物も、人間を永遠に生かすことはできないからです。
万里の長城を築いたことで有名な秦の始皇帝は、中国統一を果たした頃から死の恐怖にさいなまれるようになり、家来たちに不老不死の薬を探させたと言われています。しかし、不老不死の薬などなく、無理難題を押し付けられた家来たちは、猛毒である水銀で丸薬を作り、始皇帝はそれを不老不死の薬と信じて飲み、却って死期を早めてしまったと言われています。
始皇帝のように絶大な権力と名声を手に入れた人であっても、死を迎えるのです。死は、すべての人にとって避けられない現実の問題です。なぜ、人は死ななければならないのでしょうか。それは、人間が罪人であるからです。「罪から来る報酬は死です。」(ローマ人への手紙6章23節)と聖書に書かれてあります。人間は、真の神様を無視し、自分の欲望のままに生きています。その結果、様々な不道徳な生活や罪の行いに陥っています。神は、それらの罪に対して激しく怒っておられます。ですから、罪に対する刑罰として「人間には、一度死ぬことと、死後にさばきを受けることが定まっている」(ヘブル人への手紙9章27節)のです。
しかし、神は私たちを死後のさばきから救い、天の御国で永遠に生きる者とするために救い主をお遣わしになりました。その方こそ、イエス・キリストです。キリストは御子なる神であられるのに、私たちのために天からこの世に下って来られました。すなわち、処女マリヤの胎を通して人となってお生まれになりました。それは、全人類の身代わりとなって十字架で死なれるためであったのです。キリストは、私たちの罪すべてを背負われて、私たちに代わって十字架の上で刑罰を受けて死んでくださいました。そして、死後三日目に復活され、ご自身こそ唯一の救い主であることを表してくださいました。
イエス・キリストこそ、天から下って来た生けるパンです。このパンを食べる者、すなわちキリストを救い主として信じ受け入れる者は、永遠に天の御国で生きるのです。