汚れの伝染
2014年5月25日
「『万軍の主はこう仰せられる。次の律法について、祭司たちに尋ねて言え。もし人が聖なる肉を自分の着物のすそで運ぶとき、そのすそがパンや煮物、ぶどう酒や油、またどんな食物にでも触れたなら、それは聖なるものとなるか。』祭司たちは答えて『否』と言った。そこでハガイは言った。『もし死体によって汚れた人が、これらのどれにでも触れたなら、それは汚れるか。』祭司たちは答えて『汚れる」と言った。」 ハガイ書2章11~13節
神は、捕囚からの帰還民たちの霊的な状態を明らかにするために、律法の教えについて祭司たちに尋ねられました。この一連の対話を通して神が明らかにされたことは、「聖さは伝わりにくいが、汚れはすぐに伝染する」ということです。そして、この時代のイスラエルの状態は、まさにそうであったのです。
彼らは、神殿再建のためにエルサレムに帰って来た人々でした。住み慣れた地を捨てて、神への礼拝を確立するために非常な熱意をもって帰って来たのです。そして、間もなくして神殿の礎が据えられました。ところが、彼らは反対者たちの妨害に屈してしまい、神殿再建を中断してしまったのです。それから、実に十六年もの間、神殿再建は放っておかれたままになっていました。初めの熱意は次第に失われ、ついには完全に冷え切ってしまいました。それは、誰かが最初に言い放った「主の宮を建てる時はまだ来ない」(ハガイ書1章2節)という不信仰から発した無気力とあきらめのことばによるものであったのです。そのことばが、あっという間に民全体の心に伝染し、意気をくじき、本来の使命を忘れさせました。その結果、彼らはこの十六年間誰を喜ばせることになったでしょう。サタンです。サタンだけです。これは何と厳粛なことでしょう。
人の心は、常に低い方へと傾きやすく、冷めやすいのです。かつて、カデシュ・バルネアで、誰がヨシュアとカレブの語った心を熱くすることばに耳を傾けたでしょう。誰もいませんでした。しかし、巨人と天高くそびえる城壁についての誇張されたことばには、すべての者が耳を傾け、心くじかれたのです。(民数記13章~14章)ですから、神は、戦いにおいて「恐れて弱気になっている者はいないか。その者は家に帰れ。戦友たちの心が、彼の心のようにくじけるといけないから。」(申命記20章8節)と厳しく仰せになったのです。
今日、私たちの周りには、不信仰から発せられる様々な意見や主張が飛び交っています。どうか、それらのことばに耳を傾けるのではなく、ただ単純に神と神のみことばを信頼しましょう。そして、今、神が私たちの目の前に置いておられる使命をしっかりと果たして行きましょう。