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万人救済論(万物の復興)への反論

万人救済論とは

万人救済論とは、信者も不信者も悪魔でさえも全ての者が例外なしに世の終わりには救われると説く教えです。教父オリゲネス(182年−251年)以来、現代に至るまで様々な万人救済論が出現しました。救いに至る方法には様々な見解がありますが、全ての万人救済論に共通していることは、究極的には信者も不信者も神との和解に回復すると結論しているところです。

万人救済論の根拠

万人救済論者が万人救済論を主張する根拠は、神の愛です。彼らは、ヨハネ1:29、ヨハネ3:16、ヨハネ4:42、Ⅱコリント5:19、Ⅰテモテ2:4、Ⅰテモテ4:10、テトス2:22、Ⅱペテロ3:9、Ⅰヨハネ2:2などを取り上げ、神が世の全ての人を愛しておられるのなら全てを救うはずであり、全能なら全てを救えるはずだ、と説きます。

そして、万人救済を示す聖書箇所として、マタイ19:28の「世が改まって」、使徒3:21の「あの万物の改まる時」、エペソ1:10の「いっさいのものがキリストにあって、天にあるもの地にあるものがこの方にあって、一つに集められるのです。」の3箇所を挙げます。

万人救済論への反論

まず、万人救済を示す箇所としてあげられる3箇所についてですが、いずれも万人救済を語る箇所ではありません。マタイ19:28の「世が改まって」、使徒3:21の「あの万物の改まる時」は、世の終わりの万人救済を指しているのではなく、千年王国の到来について語っている箇所です。それは、前後の文脈「世が改まって人の子がその栄光の座に着くとき」(マタイ19:28)、「主の御前から回復の時が来て、あなたがたのためにメシヤと定められたイエスを、主が遣わしてくださるためなのです。」(使徒3:20)を読むと明らかです。すなわち、「万物の改まる」とは、「全ての人の救い」という意味ではなく、「全被造物の回復(つまり、自然界がエデンの園のように回復する。ローマ8:20、21参照)」という意味です。また、エペソ1:10の「いっさいのもの」とは、全人類を指しているのではなく、すでに天にいる信者とまだ地上にいる信者を指しています。それは、繰り返し「キリストにあって、・・・この方にあって」と語られていることから明らかです。

次に、万人への愛を根拠に万人救済を論じる点についてです。確かに、神は、聖書が語る通りに世を愛しておられ、全ての人の救いを願い、全人類のためにキリストを十字架につけられました。しかし、聖書は、救いは信じる者にのみ与えられ、信じない者はさばかれると繰り返しはっきりと語っています(ヨハネ3:18、36など)。もし、全ての人が自動的に救われているのならば、悔い改めや信仰を人間に求める必要はなく、聖書の中にそのような箇所は不要のはずです。しかし、聖書は、人間に悔い改めと信仰を要求しています(使徒2:38、16:31、17:30、20:21)。それは、悔い改めと信仰が救いの条件であるからです。

結論

万人救済論は、非聖書的な悪魔の教えです。未信者には死後についての危機感を失わせ、信者には伝道の必要性を失わせる恐ろしい思想です。悪魔に騙されず、なお熱心に世の人々に悔い改めと信仰を主張致しましょう。
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