ロトが失ったもの(その2)
2014年3月23日
3.あかしの力
「そこでロトは出て行き、娘たちをめとった婿たちに告げて言った。『立ってこの場所から出て行きなさい。主がこの町を滅ぼそうとしておられるから。』しかし、彼の婿たちには、それは冗談のように思われた。」(創世記19章14節)
ロトは、御使いたちから主がソドムの町を滅ぼそうとしておられる事を聞きました。そこで、ロトは娘の婿たちにその事実を伝え、直ちに逃げるようにと警告しました。しかし、婿たちは、義父の語ったことを冗談と思い、決して信じようとはしませんでした。
それは、ロトがあかしの力を失っていたからです。彼の語るメッセージと彼の生活とがあまりにもかけ離れていたため、そのあかしには何の説得力もありませんでした。わざわざソドムにやって来た人間が、「この場所から出て行きなさい。」と言ったところで、どうして聞いてもらえるでしょう。ソドムの町で地位と財産を築いている者が、「主がこの町を滅ぼそうとしておられる」と語ったところで、どうして信じてもらえるでしょう。結局、ロトは、身内の者をも滅びから救い出すことができなかったのです。
私たちは、次のみことばをしっかりと心に留めておきましょう。
「ただ一つ。キリストの福音にふさわしく生活しなさい。」(ピリピ人への手紙1章27節)
「このヨハネは、らくだの毛の着物を着、腰には皮の帯を締め、その食べ物はいなごと野蜜であった。」(マタイの福音書3章4節)
4.所有物のすべて
「そのとき、主はソドムとゴモラの上に、硫黄の火を天の主のところから降らせ、これらの町々と低地全体と、その町々の住民と、その地の植物をみな滅ぼされた。」(創世記19章24~25節)
主がソドムとゴモラの上に天から火を降らせたとき、町や住民はおろか植物に至るまで何もかもが滅ぼされました。ロト自身は「かろうじて救われ」(ペテロの手紙第一5章18節)ましたが、長年彼が築き上げて来た地位や財産はすべて失われてしまいました。何という悲劇でしょう。カナンの地を離れソドムを選び取った結果、ロトは全てを失ってしまったのです。
ロトの生涯は、私たちへの警告です。「その日には、天は大きな響きをたてて消えうせ、天の万象は焼けてくずれ去り、地と地のいろいろなわざは焼き尽くされます。」(ペテロの手紙第二3章10)この世は、やがて滅ぼされます。ですから、世を愛する者は、世が滅ぼされたときに何もかも失ってしまうのです。
私たちは、自分自身がロトの道に歩んで二の舞を踏むことのないように絶えず注意しようではありませんか。
「世と世の欲は滅び去ります。しかし、神のみこころを行う者は、いつまでもながらえます。」(ヨハネの手紙第一2章17節)